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  3. マンホールには気をつけよう

バイクが走るライン上に多いマンホール

道路にあるマンホールの蓋は、バイクのライダーにとって気になります。
雨の日はむろん、晴れの日でもなるべくマンホールは避けているお客さんも実際多いです。
しかもマンホールの蓋はたいてい道路の中央、つまりバイクの走行ライン上にあります。

なぜ、バイクにとって厄介な場所にマンホールの蓋が設置されているのでしょうか。
それは地下を走る配管の位置との関係が理由です。
道路の下には上下水道、排水管、ガス管、電線などさまざまな配管がありますが、それらは定期的に点検しなければなりません。
マンホールとはそのための入口で、配管を点検する人はマンホールを開けて地下に入ります。

また、配管の向きや高さを変える場所にもマンホールの蓋があります。
配管の中の水が詰まらずに流れるには、配管にある程度の傾斜が必要です。
そこで、ある程度の間隔おきに配管に高低差を作りそこにマスを設置します。
それがマンホールの場所です。

バイクが走行するライン上にマンホールの蓋があるのは、交差点やカーブの出入口です。
基本的に地下を走る配管は直線のパイプなので、向きを変えるには手前にマスを設置して配管を切り替える必要があります。
マスを設置した場所がマンホールとなるのは先ほどの例と同様です。

つまり、配管の構造上カーブの出入口にマンホールができるのは避けられません。
片側2車線以上ある道路の場合、マンホールは端っこの車線に集まりますが、片側1車線以下の道路の場合マンホールの蓋は道路のほぼ中央か左寄りに位置しています。
車にとってはなんでもありませんが、バイクにとってはまさに走行ライン上に位置するため厄介に感じるのです。
かといって、生活に欠かせないインフラですからマンホールをなくすわけにはいきません。

濡れたマンホールが滑りやすい理由

マンホールの蓋は鉄でできています。
それだけでもアスファルトと比べて滑りやすいですが、濡れたマンホールの蓋は摩擦係数が低くなるためもっと滑りやすいです。

具体的には、乾いたアスファルトの場合、摩擦係数は0.75~0.80μ(「ミュー」、摩擦係数を表す単位)ですが、それが濡れると0.45~0.60μぐらいになります。
これは通常のマンホールの摩擦係数と同じぐらいです。
マンホールの蓋が濡れると、摩擦係数は0.2μほどまでに下がってしまいます。
氷結路の摩擦係数が0.1~0.2μなので、濡れたマンホールの蓋はそれと同じぐらい滑りやすいのです。

滑りにくいマンホールの蓋が登場

最近設置されたばかりのマンホールの蓋は、滑りにくさを考慮してスリップ防止性能が付与されています。
新しい基準では新品で0.60μ以上、濡れたときにも0.45μ以上が最低値です。
新しいマンホールの蓋なら、雨の日でも滑りにくいでしょう。